コンピュータで描くパースも、写真と比較した場合、パースですから手描きパースと同様に自由自在画です。
そのように魅力のあるパースも、最近は、手描きではなくコンピュータでたくさん描かれています。描きたい建築物のデータがコンピュータに入れば必要な操作の末、ファイルになり、プリンターでいつでも出力できます。手描きの場合は、机の上で建築物の図面からデータを拾い、製図作業で形状を作図して、イラストボードにトレースして絵の具などで着色して仕上げています。手描きパースの場合は私も経験しているところですがそれなりの熟練技術が必要です。コンピュータで描く場合は、コンピュータ操作に抵抗がなければ誰でも描くことができるでしょう。手描きよりもコンピュータパースが増えている所以だと思われます。
ところで、コンピュータパースを拝見する機会が多い今日ですが、私はコンピュータパースに不満を感じています。コンピュータパースは写真のように、また手描きパースのように、場合によってはそれ以上にきれいに描かれていますが、どうも実在感というか、奥行きが感じられないような気がするのです。写真では、人がそこから見た情景そのままが表現されていますから不自然な感じはありません。どうしてなのか、考えてみましょう。 |