手描きパースの場合では、まず建築図面からデータを正しく拾い、形状を作図します。次に着色して完成です。(ペン画等モノクロ仕上げパースもあります。)平らな紙の上に描くことではいわゆる絵ではありますが、立体感、実在感が出ていなければなりません。これらのことを実現させる手法は 遠近法 と呼ばれています。パースを描く手法は遠近法です。パースの描き方イコール遠近法と言っても過言ではありません。
遠近法には、 線遠近法 、 明暗遠近法 、 色彩遠近法など があります。
線遠近法 、これはいわゆる “ 透視図法 ” のことです。視点を設定して立体の形状を作図する方法です。学校の教育課程では勉強しませんが、パースを描くには是非マスターしなければなりません。しかしコンピュータでパースを描く場合はその限りではありません。
明暗遠近法 は、透視図法でできた立体形状に太陽光線などの光の方向、光の存在を考慮して明暗をつける方法です。建築物には明るい所暗い所があり、陰影もついています。線遠近法で作図して得られた立体の形状に明暗陰影をつけることにより、その立体感は現実味を帯びてきます。
さらに色彩遠近法など により実在感を付加します。つまり、近景は一般的に彩度を高くし、遠景のものは彩度をおとし明度を上げます。実際、近景の樹木は青々と見え葉っぱの形も見えますが遠景の樹木はどうでしょうか。
遠近法は、実際に見えているように描くための手法です。手描きパースは以上の手法で描き上げますが、コンピュータパースは遠近法の手法からみるとどうでしょうか。 |